2026/05/04 09:42

真空溶媒
宮沢賢治【春と修羅】より引用です
こちら愛読書、といいますか
文庫本ではなくしっかりとした
ハードカバーの装丁で宝物の様な一冊

真空溶媒をなぜ取り上げたかというと
気分です。笑
ですが、こちらはアートの世界とも通じる
シュルレアリスム感じる世界観として
私は宮沢賢治のなかでも、かなり興味深い
作品なのです。【小岩井農場】【青森挽歌】へ
とつづく長大な作品でございます。
副題の
Eine Phantasie im Morgen
こちらはドイツ語なんです
当時は必死で調べました、どういう意味
なのかと。意味は、【 朝の幻想 】
物語やあらすじはこれから読むかもしれない
という方々のために控えさせて頂きますが
賢治の心象スケッチ全般において
研究者様方がシュルレアリスムとの類似を
指摘している、これは有名な話なのですが
こちら真空溶媒は特にそれを感じさせられる
ものだと私は思っております

シュルレアリスムのデペイズマンという
手法がございます。私の言語力では、
上手な説明が難しいですので
※ブリタニカ国際百科事典 より
引用をさせていただきます
※ある物を日常的な環境から、異質の環境に転置
し、その物から実用的性格を奪い、物体同士の
驚異な出会いを現出させる。この方法により人
々の感覚の深部に強い衝撃を与えること
とございます。絵画の世界でいうと
ダリやマグリットです。私は大好きなんです
特にマグリット。マグリットの絵画のなかで
最も好きな絵画は【 傑作もしくは水平線の
神秘 】でございます。おじさんが3名います笑
シュルレアリスムな世界観や作品が元より
興味深く、文学でも好んで手に、意識的に
手に取ってきた私でございます。文庫では、
ジョージオーウェルの【 1984 】
表紙はマグリットの絵画です
有名な【人の子】という作品ですね。
話は戻ります、賢治の真空溶媒は
これらを強く感じるものがございます
怪しげな世界観といいますか。
真空は溶媒のように作用して【おれ】を含む
すべてを溶かし込んでしまうもの、とまるで
ブラックホールのように。現実世界では
あり得ない、零下二千度の温度が全てを
吸い込む、という表現。
はじめて読んだ時には
零下二千度?!……は?となりましたが笑
そんなこんなで、何が言いたいのかと話ですが
自身が好んできたシュルレアリスムという
絵画やアートの世界でのジャンルは
文体でも表現が可能なんだ、という感銘と
衝撃を受けたという話でございます笑笑
というのも、シュルレアリスムがテーマ
題材とした文庫は沢山読んでおります
これはシュルレアリスムを
テーマとした物語ですよ〜、では無く
並べる言葉で、文体で、シュルレアリスムを
連想させるという、その部分に驚きを感じた
ということでございますね。凄いなと。
それが、真空媒体でした。
宮沢賢治では童話もたくさんございます
教科書に出てくるもの。その他もたくさん。
我が家の本棚にも勿論一通り揃っております
たとえば【注文の多い料理店】そのはじまり
序では、" なんのことだか、わけのわからないと
ころであるせうが、そんなところは、わたく
しもまた、わけがわからないのです "
有名なる、誰もがきっと読んだ事があり
記憶に残る様な序文
論理的な言葉では説明できないことを
人の心を惹きつける様に表現できること
そして人の心を動かせるものが、芸術。
文学もまた、同様なのだと、宮沢賢治からは
私は学ばせていただき、そう感じております。
同時に人それぞれの解釈によるものであったり
著作者さえも気付かぬ新たな世界を創造する
という芸術的な可能性を秘めていることを感じ
心を奪われてきた宮沢賢治の作品の数々
真空溶媒は口語詩と童話のちょうど
中間層に位置するものである様な気がします
気になる方は是非。笑

ちなみに【聖玻璃】はこちら
上にて紹介した同じく宝物の一冊から
私がかれこれずっと好きだった単語です
長々と失礼致しましたが
日常はこんなことをよく頭の中で思考を
グルグル膨らましている私でございます
朝から独り言でした
オープンへ向けて追い込みです
今日はここまで